Photographer Chihaya Kaminokawa 神ノ川智早

神ノ川智早

神ノ川智早

NEWS

もっともっと楽しみを

2013Thu05.23

名古屋の個展、”bright side of life”では、ギャラリーの一角で小さなお店
「雑貨屋ちはや」をひらきます。こつこつと物を作り続けている作家6人の作品を販売します。
彼らの作品を見る度に、作られた物は、作った人そのままなのだなと、ぐっと胸にくるものがあります。そしてまた、こんな部分を持っている人なのか、知ってると思っていたけれど知らない事の方が絶対的に多いのかもしれない、とさらにぐっと来てしまいます。6人共、大切な友人でもあります。雑貨屋ちはや、ぜひ覗きにきてください。

udu
テキスタイル作家
http://udu.main.jp

使う材料を作家自ら染めて、作品が作られます。本人に似て、きらきらと光るような可愛いさを持ち、優しくて暖かく、野性的な力もある作品です。
すぎはらけいたろう
絵本作家・イラストレーター
http://www.keitarosugihara.com

どんな目で世界を見ていたら、こんな可愛い物語を創ることが出来るのかと不思議になる作家さん。子供が持つ軽やかで弾けた空気のある物語がとても素敵です。
Boojil
イラストレーター
http://www.boojil.com

イラストもアニメも彼女の描く世界はすべて、パワフルで原色にあふれています。そんな作品は彼女そのもので、その場の空気をがらっとかえてしまうくらい華やかで力強いです。


MicroWorks
プロダクトデザイナー
http://www.microworks.jp

ひねりのある、持っていて楽しいものを作る人。欲しい人のもとへ、欲しいぶんだけ物を届けるための物作りをしてる作家さんです。彼の物への深い愛情にしびれます。
むくり
手芸作家
http://mukuri.exblog.jp

毛糸や布で作られたむくりの作品には、可愛さと毒と平和が入り混ざっています。おもしろ〜い、と足を踏み入れたら最後、出ることが出来ない魅力的な世界です。
ripa
バッグ職人
http://flag-fsubomi.jugem.jp

彼が作るバッグや小物には一分の隙も無駄も無く、使いやすくてきりりとしていて、美しいです。今回の写真展のイメージで、特別なバッグを作成してくれました。

社交場ちはやでお会いしましょう

2013Tue05.14

©大野利洋

名古屋での個展、”bright side of life”では、写真を飾るだけでは飽き足らず、6月1日土曜日に小さなパーティーを開きます。その名前は、「社交場ちはや」となりました。気軽に遊びにきてください。

「社交場ちはや」
6月1日(土) 17: 00〜

「社交場ちはや」と題して小さなパーティーをひらきます。
ささやかですが軽食をご用意してお待ちしています。
18時30分から、COINNという素敵なバンドの演奏がはじまります。
(チケットは必要ありません。当日は、投げ銭ライブとさせていただきます。)
COINN(コイン)
チルドレンミュージックバンド
http://www.coinn.jp

「こどもと大人とあかちゃんに送る音楽」を作っている4人組の兄さん達です。
彼らが作っているのはつまり、全ての人の心にむけられた音楽なのです。そしてそれは、誰にでも出来る音楽ではありません。こどもと大人とあかちゃんの心を、ちゃんと知っていないといけないからです。
彼らはきっと4人共、子供の時に見た色、嗅いだ匂い、聞いた音、触った感触、そういう、小さな宝みたいなものを大人になってもまだ瑞々しく覚えて持っていて、その同じ心で大人になっても目の前の景色を見ているのだろうなと思います。COINNの音楽は、見た事のない美しいもの、知っていたのに忘れていた事を見つけられる音楽です。
友達誘って行ってみよう、とギャラリーの地図に展示期間、そして営業時間を確認し、公共機関などを使って移動して、てくてく歩き、本当に「ガチャリ」とギャラリーのドアを開けるまでの道のりのなんと長いことか。
だからこそ、芳しくないお天気や気分のせいで外に出たくないと思っても、それをさっと吹き飛ばしてくれそうな、吹き飛ばさないにしても、ま、それでもちょっと行ってみるかと思ってもらえたら良いと思い、他にも楽しいことを計画しました。追ってお知らせいたします。

“bright side of life”

2013Sat05.11

写真展を開きます。名古屋は栄という街にあるgraph galleryで、5月29日から6日間の展示です。
写真展がやりたい。のつぶやきを拾ってくれた名古屋出身の友人で、絵本作家のすぎはらけいたろうさんがギャラリーとの縁を繋いでくれました。出来るよ、どうする?はい、やります!の二つ返事でした。
DMも完成し、情報がまとまったのでお知らせします。DMは、少し透け感のある紙に印刷しました。B3と大きく、ポスターのように貼ることが出来ます。欲しい方は、メールを下さればお送りさせていただきます。

写真展に合わせて、他にも楽しいことを目論んでいます。そちらも追ってお知らせいたします。


神ノ川智早 写真展
“bright side of life”
2013年5月29日(水)〜 6月3日(月)

イギリスに、ミニという女の子がいる。
お母さんと、弟のシーモアと3人で暮らしている。
年に一度、私は彼らに会いに行く。

ミニは、ふざけて遊んで大笑いしたあと、お母さんに早く宿題しなさいと言われる。
スーパーで買った甘いチョコレートケーキを食べてあたたかい紅茶を飲む。
弟に、うるさいからあっちへ行ってと言ってケンカして、お母さんに叱られてくやしくて泣く。
みんなで散歩に出て大きな声で歌いながら歩き、海辺で虹を3つ見つける。

ミニと過ごす今という時間は、どれもつやつやと光っている。
くっきりとした輪郭があって、その瞬間にだけ私はそれを持つことができる。
二度と同じ時間は手にできない。それが愛おしくもあり、怖くもある。

大人でも子供でもどこにいて何をしていても、誰だってその”今”を持っている。
それを知っているということが、人生を明るくさせるのだと思う。

graph gallery

http://www.graph-hair.com

〒461-0005 名古屋市東区東桜1-3-27
tel.052.962.6625
営業時間11時〜20時(最終日18時まで)
会期中無休

※期間中は、写真家本人が在廊しています。変更があれば、写真家のHPにてお知らせいたします。

写ルンですその後

2013Fri05.10

写るんですその後。15人分の現像が上がって来た。写真の束を手にする。ゆっくり見たい気持ちと、きちんと写っているか確認したい気持ちで焦りながら次から次へと見ていく。
同じ場所、同じカメラで撮ったものなのに、全員が全く違う物を見ている。そりゃそうだ、当たり前のことだ、と思うけれどそれがしみじみとおもしろい。雨に濡れたポスト。塀からジャンプする男の子。梅の花のアップ。庭師の道具。花壇の土と新芽。制服を着てピースする上級生。暗闇にぼんやり浮かび上がる白い烏骨鶏。
構図が普通に考えるとずれていたり、ちょっと斜めだったり、近づきすぎて被写体がぼけていたりする。子供の目線だからもちろん低くて、物を見上げている。意図してもしきれないアンバランスさと、反射的な勢いに溢れていて、かっこいい写真が沢山あった。あ、これはぜったいに私には撮れないものだ。そう思った。
撮影から2週間後、再び教室で子供達に再会した。授業前にねぇねぇ先生、と、側にいてひっきりなしに話しかけてくる男子の撮った写真には、そういえば全部人が写っていたなと思い出す。
全員にネガと写真を渡すと、わあわあと大騒ぎになった。ネガを見て、これなに?!とざわざわ。こんなの撮れてた!とげらげら笑い、全部使いたい!選べない!と叫ぶ。
今回のワークショップは、写真を撮って、セレクトして、8ページのアルバムを自分で編集するのが目的だった。写真を撮ったあと、それを選んで本にする事で初めて見える世界があるよ。と伝えたかったから。
作業を手伝いながら、子供達がどんな写真を選ぶのかを観察していた。すると、事前に私とアフタースクールのワタナベ先生が見て、これはかっこいいね!と言っていた写真を、殆どすべての子が選んでアルバムに貼り付けている。かっこいい、おもしろい、と感じる視覚的な部分は案外共通しているものなんだと驚いた。
1人1人のアルバムをゆっくり見たかったけれど、あっという間の1時間半でそれも叶わなかった。最後に数人、前に出て来てもらって感想をお願いすると、ぼそっと一言、面白かった。楽しかった。ともじもじしながら発表してくれた。一対一で話していると、良かった、またやりたい!もっとゆっくり作りたい!と饒舌なのに、大勢の前では照れ屋になる子達を、愛おしいな、がんばって!とすっかり先生目線になって見つめてしまった。
極端な話、今回の事を子供達がすっかり忘れても、写真を撮るようにならなくても、ぜんぜん構わない。ただ、目をきらきらさせながら被写体を探し、写真を撮り、アルバムを作ったそれぞれの瞬間が、彼らの中に少しずつ積もって行く、大切なことのひとつになればいいと思う。

最後になりましたが、今回「写るんです」を提供してくださったFUJIFILMさまに、深く御礼申し上げます。自由学園アフタースクールのワタナベ先生、素晴らしい機会を下さってありがとうございました。先生の書いているブログにも、授業の紹介がされています。ブログはこちらから。