Photographer Chihaya Kaminokawa 神ノ川智早

神ノ川智早

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NEWS

大人なのに子供の顔した人(その4)

2014Sun03.23

ある春の日。大人なのに子供の顔した人、公園でピクニックした後、1歳の娘と記念写真を撮ろうと足元をよちよち歩く娘をにこにこ笑顔で何度も何度も呼ぶが、まったく相手にされず落ち込み顔。

正月の風邪

2014Sat03.15

今年の1月1日にひどく熱が出て、お正月だというのにごちそうも食べなかった。食べたいのに食べられないのではなく、何にも食べたくなかった。
お茶だけ飲んで半身浴をたくさんして、はしゃぐ姪っ子たちを眺めて過ごした。夜は2階にある寝室に8時には上がって行き、寒い寒いと震えながら自分の体温で布団の中が暖かくなるのを、ぼおっとした頭で何を考えるでもなくじっと待っていた。
眠りに落ちるか落ちないか、ぎりぎりのところで、わあーんと、子供の泣く声が聞こえてはっと目が覚めた。隣の部屋からだった。よく聞いてみると、3歳になる姪の声だった。私の義妹である母親に何かをたしなめられているのに、何かやりたいことがあってだだをこねているようだった。
わーん、わーんと切なく泣き続ける声と、困ったような母親の声を聞いているうちに、だんだんと悲しくなって来て、信じられない事に私も泣いてしまっていた。自分が心細い小さな子供になったような気もしたし、母に怒られた時の悲しさや、嫌な事があって泣いたこともふつふつと湧いてきて、さすがにわーんわーんと声を上げては泣かなかったけれど、ぽろぽろと涙が止まらなかった。
しばらくして義妹が、「いいかげんにしなさい。そうしたらもう眠らなくてよろしい。」ときりりと言うと、姪はふにゃ、とした聞き取れない声で何か言った。
次に義妹が優しく、「ちゃんと寝ますか?」と聞くと、「ハイ」と答え、それから静かになった。私は、「ハイ」と答えた姪の声を聞いてまた泣いて、ひとしきりぽろぽろと涙を流してからやっと眠った。
思い出すと、あれはなんだったのだろうと不思議な気持ちになるけれど、風邪を引いて熱を出し、ぽかんと空っぽになって弱っていたからこそ姪に同調して、自分が非力な子供になったような気持ちがして泣いたのだろうなと思う。元気で強気な大人の気持ちで聞いていたらきっと、しょうがないなああの子は。とただ苦笑していただろう。
熱を出したおかげで、こどもの時は言葉に出来る事が少ない分を、泣くことで補っていたんだなあと、心の奥底からぼんやりとでも思い出せたのはおもしろいことだった。

熱海殺人事件Battle Royal

2014Wed03.12

新宿紀伊國屋ホール開場50周年記念の公演、「熱海殺人事件 Battle Royal」のパンフレット撮影を担当させてもらいました。
今回は、主要登場人物の1人を、馬場徹さんとEXILEのKENCHIさんのダブルキャストで演じる舞台でした。同じ登場人物でも、演じる人が違うだけでこんなにも変わるものなのか、と驚きました。
それぞれの人間が持っている強さ、優しさ、色気、そういうものがまるきり違う場所に違う形で現れてくる様は、本当に面白かったです。毎年、定期的に上演される舞台なので、機会があればぜひ足を運んでみてください。

大人かわいいニットのふだん着

2014Wed03.12

「デイリーからおめかしまで 大人かわいいニットのふだん着」という本の撮影を担当させてもらいました。
ニット作家michiyoさんがデザインしてひとつひとつ編んだ繊細なニットを、モデルのKanocoちゃんがそれはもう美しく、かわいく着ております。michiyoさんの作品を見ていると、編み物が出来たらどんなにすてきだろうとうっとりしてしまいます。文化出版局のサイトでは、電子ブックという形ですこし試し読みすることが出来ます。サイトはこちらから。

「情熱を注いで、働く」

2014Tue03.11

「情熱を注いで、働く」という本の表紙を撮影させてもらいました。
著者の山元賢治さんは、スティーブ・ジョブズに頼まれてアップルジャパンの社長をされていた方。
接してすごいなと感じたのは、山元さんのコミュニケーションの力。撮影していても、こちらの意図を汲みながらどんどんと表情が変わっていき、終わった後は撮影でどんな事を感じたのかをすぐに話してくださいました。感性がとても豊かで柔らかな、本当に素敵な方でした。どう働くかとどう生きるかはつながっているんだと、改めて感じさせられる本でした。大和書房より発売中です。詳しくはこちらのサイトへ。